それでも世界はまわる
次の瞬間、青木先生は美佳を当てた。

「風吹さん、なんか嬉しそうですねー。はい、この問題の答えはなんでしょう?」

「え、あ、はい。えーっと・・・」

話を聞いていなかったので分かるはずもない。美緒奈が隣でささやく。

「美佳、あそこたぶん、エックスの二乗プラス六だよ」

「エ、エックスの二乗プラス六です・・・」

「はい、違いますね。吉川さん、もう一回台本を見直して下さい」

青木先生がチョークを持って苦笑した。

「え? あ、あれぇ・・・ほんとだ。ごめん、美佳」

美緒奈がれろっと舌を出して見せる。

「五プラス四は九だよね、あはは」

「っていうかミオ、台本のまま読めばいいんだよ」


   *      *      *
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