それでも世界はまわる
「こらこら! 待ちなさい、そこっ!」

監督が自慢のメガホンで美佳とりおんの頭を叩いた。パコーンと景気のいい音がした。

「美佳ちゃんはお酒が入ってるんだ。どうやらこいつが間違えて出したらしくて・・・」

「すみません・・・」

新人アシスタントが頭を下げた。

「りおん君もりおん君だ。子供が何をしてるんだ、まったく・・・。
 美佳ちゃんの酔いが覚めるまで休憩!」

りおんは、まだ酒臭い匂いを放つ美佳を抱えた。


   *      *      *
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