それでも世界はまわる
美佳は拓也を連れて、真っ先に美術室へ向かった。

美術室には美佳が二カ月かけて描いた絵が飾られているはずだ。その場所に着くと、真っ先に絵を探す。

「あ・・・あれ?」

絵があるはずの廊下側の壁には「今月の歌・グリーングリーン」と書かれた紙の貼ってある板があった。慎吾と拓也は戸惑う。

「こらぁ、大道具っ!」

監督は牙を剥いた。

彼はたぷたぷと脂肪を揺らしながら、絵を取り替える。


   *      *      *
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