それでも世界はまわる
思いが爆発しそうになった時だ。

「いいじゃん、別にどうでも。
 美佳さんが決めることで、僕らが口出すことじゃないよ」

議長の智之。美佳はほっとした。

智之とは保育園に入る頃からの幼馴染。
お互いの母親が職場の同僚で、同い年の子供を持つ同士と仲良くしているらしい。
年月だけなら親友の美緒奈よりも長い。

彼だけは自分の気持ちを理解してくれている気がした。

しかし、美佳の心には確かに大きな不安が残った。

「誰もおらんかったら、僕がもらってやるよ」

智之のそれでみんな笑ったが、美佳には照れ隠しであるのがよく分かった。


   *      *      *


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