それでも世界はまわる
「・・・ただいま・・・」
美佳は気が重かった。慎吾の姿をした自分を見たら家族は何と言うだろう。
玄関の扉はガラス張りの引き戸だ。ガラガラと音を立てる。
すると母が出てきた。
「あら慎吾ちゃん。
どうしたの、こんな時間に。美佳ならまだ帰ってきてないわよ」
ただいま、は聞こえていなかったようだ。
普段の声より少し高い。娘の友人関係を気遣い取り繕っているのか。
「あのねお母さん。落ち着いて聞いてね」
「おっ・・・お母さんって、慎吾ちゃん・・・」
慎吾が結婚のあいさつにきたと思っているのかもしれない。まだ中学生だというのに、全く母の勘違いの酷さには呆れてくる。
美佳は気が重かった。慎吾の姿をした自分を見たら家族は何と言うだろう。
玄関の扉はガラス張りの引き戸だ。ガラガラと音を立てる。
すると母が出てきた。
「あら慎吾ちゃん。
どうしたの、こんな時間に。美佳ならまだ帰ってきてないわよ」
ただいま、は聞こえていなかったようだ。
普段の声より少し高い。娘の友人関係を気遣い取り繕っているのか。
「あのねお母さん。落ち着いて聞いてね」
「おっ・・・お母さんって、慎吾ちゃん・・・」
慎吾が結婚のあいさつにきたと思っているのかもしれない。まだ中学生だというのに、全く母の勘違いの酷さには呆れてくる。