それでも世界はまわる
プロローグ
蒸し暑い夏の夜。

闇に響く少女たちの笑い声、微かに少年の声も混ざっている。

小さな村の学校の校庭で、中学生らしき子供たちが夏のお決まり、花火をしていた。

悲鳴にも似た歓喜の声をあげたり、奇妙な打ち上げ方法を開発したり、静かに線香花火をしたりとそれぞれ楽しんでいる中、一人だけ淋しそうに影から友人たちを見ている少女がいた。

花火嫌いの美佳だ。

あまりに暇で早くお開きにしてほしいと思っていたが、みんな満喫しているところ水をさすわけにもいかず、木の棒で地面に落書きする。

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