それでも世界はまわる
「僕・・・美佳さんに謝るために、今日残ってもらったんだ。
 昨日帰って、美佳さんの親がどんなにショック受けたかなって考えたんよ。でも・・・それ、僕のせいなんだって思ったら・・・寝られなくて・・・」

(同じ・・・。同じだよ、慎吾くん・・・)

「僕は・・・美佳さんに何をしてあげられるん?」

慎吾は訴える。

(慎吾くんはなんにも悪くない)

けれど、美佳はそれに答えることができない。声が思うように出てこない。

「なんにもできん・・・!」

(なんにもしてくれなくていい!)

美佳の目にも涙が溢れた。
何か、我慢していたものが一気に流れたようだ。

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