それでも世界はまわる
「大丈夫。
 それに、助けたいって思うのは正直な気持ちだよ。
 ・・・ま、美佳さんなら僕の助けはいらんかもね」

「なんでや。あたし、ぶちか弱いじゃん!」

「どうだか」

緊張が解けた。

美佳は彼の涙を丁寧に拭う。
自分も袖で擦ってから微笑むと、三年教室を後にした。

するとすぐに掃除の放送が聞こえてきたので、小鳥のように弾みながら掃除場所へ向かった。


   *      *      *


「えーっ!? 放課後生徒会室集合? なんでよ」

美佳は雑巾をきゅっと絞り、いつものように美緒奈に嫌みまじりの言葉をぶつける。

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