それでも世界はまわる
水瀬中のイベントは村のイベントとして催されるので保護者たちが集まる。
生徒と教師、風吹家と村上家の家族しかそれを知らないので、慎吾の姿で出てはまずいだろうという話になった。

たっぷり三十分近く、散々話し合った結果、結局慎吾に代わってもらうことにした。
その日一日お互いのふりをすること、制服を交換すること、美佳の仕事をやってもらう、など勝手に全部決めた。

そして慎吾にその許可をもらうため、智之は生徒会室を駆け出した。

ちょうどもう下校時刻だ、すでに帰っているかもしれない。
そんなわけで智之は全力で走る。
なぜ彼なのかというと、もちろんジャンケン負けだからだ。
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