それでも世界はまわる
「あら慎吾ちゃん。こんばんは」

「お母さん・・・忘れたん?」

「あ、そうだった。ごめん、おかえり」

物忘れの激しい母が苦笑する。

「もー。我が子を忘れんといてよねっ」

美佳は部屋に着くと宿題を始めた。

この生活にだんだん慣れてきたのか、普通に夜を過ごし、いつものように眠ることができた。


   *      *      *


しばらく経った十月五日。

文化祭の出し物、三年生は合唱コンクールでビリーブを歌い、ステージ発表は劇をすることになった。
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