それでも世界はまわる
「だから・・・美佳はいま慎吾くんじゃん? 告白の練習・・・させてほしいなぁ」

「おっけーっ。余裕で任せてよ」

美佳は左手の親指を立てた。

そして二人は近くの公園目指して駆け出した。

「あははー。待てえ、理沙―」

「もお、何言っとるんよー」

「恋人気分、味わえた?」

その公園にはブランコと滑り台、砂場しかなく、周りはフェンスに山という殺風景が広がっている。
幼児の遊び場となっているその場所は、中学校が終わるこの時間帯は誰もいなかった。

二人はブランコに腰掛けると、早速練習を始める。
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