それでも世界はまわる
五時間目の国語。美佳は斜め前のりおんをずっと見つめていた。


   *      *      *


十月十三日。
今日から土日を挟んで中間テストだ。

美佳の頭の良さは一般的に言う、普通。
今までは美緒奈に勉強を教えてもらっていたが、しかし今回は違う。

あれから執行部メンバーのことは避けてきた。

出席番号順に席を並べると、美佳の両隣はりおんと智之。

そんな状況に立たされた自分の気持ちに動揺し、名前を書くまでにたくさんの時間を費やしてしまった。

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