それでも世界はまわる
十月二十日、最後に理科のテストが返ってきた。
五教科全部揃ったところで、みんなそれぞれの平均点に一喜一憂する。

美佳の結果は普段より悪かった。
多少ショックであるが、こうなることはある程度予測できていた。

なぜなら自分の心が闇に閉ざされているから。

美佳から放たれる黒いオーラは周りにも伝わっていた。

いつも饒舌な人物が黙りこくって、クラスはそれに汚染され静まる他なかった。

久しぶりに執行部で集まっても美佳は一言も話さない。
お陰で話し合いは進まず、ただ重い空気が漂っているだけだった。
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