それでも世界はまわる
「・・・何よ・・・じゃあ、あたしが悪いん!? そうだよ、フォークダンスのこと、へこんどるんよ。でもそれダメなん!?
 あたし、感情出しちゃいけんのんっ!?」

辛かった。
誰も自分の気持ちを理解してくれていない。親友の美緒奈さえも。

「でも美佳、フォークダンスはしょうがないことじゃん、ね?」

と、恵。

「それに美佳は悪くないんよ。ただ・・・沈んでもどうしようもないじゃん? だけぇ・・・」

「もういいよっ!」

美佳は美緒奈の言葉を遮り、痛む胸を抑えながらそう叫んで、荒々しく筆箱を鞄に入れてから走って部屋を出た。

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