それでも世界はまわる
「美佳っ!」

すると恵と英二がついてきた。

「来ないでっ! 部屋に帰って、これからのことでも話せばっ!?」

美佳は掠れた声で精一杯叫んだ。
幸い、旧校舎はもう誰もいないようだった。

「美佳・・・泣かんでや。もう一回話そうよ・・・」

「そうだよ。フォークダンスのことはどうにもならんかもしれんけど・・・このままじゃ嫌じゃろ?」

「もういいって、言ったじゃん! ほっといてよ・・・帰って!」

美佳はその言葉を出発の合図にし、再び駆け出した。
もう恵も英二も追ってきていないようだが、それを確認するために後ろを振り返ることはできなかった。


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