それでも世界はまわる
美佳はタオルで顔を隠した。
そのまましばらく涙が乾くのを待って、りおんに一つ一つ説明し始めた。

美佳やりおんと同じ方向に帰る恵が橋を通ったので、どうやら執行部会は終わったようだ。
それを見たのは説明の終わった直後で、学校を出てからは三十分近く経っていた。

美佳はその三十分の空白の時間に何があったのか気になって仕方がなかった。

四人でどういう会話をし、どういう結論で終わったのか。
大島先生は何を言ったのか。
自分は明日、四人に対してどう接すれば良いのか。

などといろいろなことを考えながらうずうずしている美佳に気付くこともなく、りおんは自分の意見を述べ始めた。

「そうなんかぁ・・・。そりゃ困ったね。誰が悪いってわけでもないしね」
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