それでも世界はまわる
そう言ってりおんは川に小石を投げた。
波紋を描いて沈んでいく石。
そしてそれを餌と間違え、集まってくる鮎の群れ。

「・・・やっぱり、あたしがわがままなん? 我慢するしかないんかなぁ・・・」

「僕はそう思う。
 美佳さんと慎吾が入れ替わったのは偶然で、誰のせいでもないじゃん? なのにそれを理由に美緒奈さんらーに当たるのは違うと思う。悲しいろーけど、しょうがないし、それにフォークダンスは執行部みんなで決めたことなんじゃろ?」

「あたしは納得してなかったもん。りおん君みたいに明確な理由を言うんじゃなくて、ほとんど強制的だったけぇね。だけぇ余計悔しかったってのもあるかも」

美佳が無理して笑って見せる。
僅かではあったが、きちんと微笑むことができた。
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