それでも世界はまわる
「・・・へえ。
 あ、あと美佳さんがわがままなのは昔から」

「ひど」

りおんがつられて笑うのに、口を尖らせる。

「はは。ま、その好きな人と二人きりになれる機会なんかいっぱいあるって」

「・・・え?」

美佳は少し戸惑った。

(あ、確かに・・・今、とか・・・。
 でも・・・)

「で、あんたの好きな人って誰なん? フォークダンス踊れん代わりに手伝ってやろか」

「・・・りおん君、あたしの好きな人・・・知らないの?」

そんなはずはない。美佳はりおんが好きで、過去一度告白している。
本人が知らないなんてそんな馬鹿な。
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