それでも世界はまわる
「えぇ? 知らん。・・・トモ?」

「違う!」

「じゃあ・・・」

「や、も・・・もういいよ・・・」

一体なぜだろう。そんな疑問を残し、美佳はうつむいた。
りおんはしばらく質問を繰り返していたが、耐えかねた美佳にぴしゃりと言われ諦めざるを得なくなった。

石のごろごろした河原を抜け、道路脇に停めておいた自転車を動かす。
しかしりおんはそれに乗らず並び歩いてくれた。
彼が普通に通学すると美佳の家を通る。送るというほどではないが、それでもこんなこと滅多にないので緊張した。
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