それでも世界はまわる
りおんは、歩き始めた美佳を追いながら言った。

「いいろー。誰にも言わんけぇさ、ねぇ?」

美佳が、自分より慎吾より背の高いりおんを見上げながらねだった。

りおんもしばらく黙っていたが、やがて心を決めたように見返す。

「絶対人に言いんさんなよ。特に美緒奈さんとか・・・」

「なになに、早く! 気になるじゃん」

美佳は歩みを止め、りおんを軽く睨んだ。

「トモは・・・」

「トモ君は・・・」
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