それでも世界はまわる
その夜。部屋で音楽を聞いていた美佳の元に一通の電話がかかった。
相手は美緒奈。
それを聞くと、子機を持って二階のベランダへと上がった。

もう十月も終わり。少し肌寒いが、満月のある星空はとても綺麗で、まるで天の川のようだった。

前振りもそこそこに、美佳が用件を尋ねる。

「あのね、あたし・・・」

美緒奈は最初言いづらそうにしていたが、やがて親友に智之と付き合い始めた、と告げた。

あらかじめりおんから真意を聞いていたので、あまり驚きもせず冷静に祝福の言葉をかける。
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