それでも世界はまわる
翌朝、千尋からクラスの劇の準備のため先に登校すると連絡が入った。

実行委員は大変そうだと他人事に考え、朝食をとった。トーストを食べ終わるとちょうどいい時間だ。
鞄を持ち、玄関から出発した。

いつもなら千尋を待っている場所を通りかかった時、後ろで自転車の音がした。

「あ、りおん君」

通りすがりに発したその言葉はきちんと届いていたようだ。

りおんは自転車を止め、美佳に軽くあいさつをした。

美佳は迷うことなく昨夜の話題を持ちかけた。
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