それでも世界はまわる
* * *
「りおん・・・君・・・」
美佳は溢れる涙を止めることができなかった。
大粒の涙が床に落ちた時、りおんがようやくこちら三人に気付いたようだ。
ゆっくりと、近付いてくる。
美佳は目を瞑って下を向いていたが、それがよく分かった。
古い旧校舎の床は歩くとギシギシ音が鳴る。
なにより、りおんの温もりを近くに感じていたのだった。
「慎吾、なんで泣いとるん? ・・・まさかお前、美佳さんのこと・・・」
(違う、あたしが・・・あたしが、美佳・・・)