騙された男と騙した女
そして騙す男女達[完]
「……村中?」
そこで、ハッとして思考を停止させる。
「え、あぁ、それでね。
その白雪姫役を、紫音君にやってもらおうかなって、思ってるんだけど。」
そして、王子役は夏帆。
「…紫音君。
女顔だし、細身で背もおっきくないし………。」
「…………さりげなしに紫音のコンプレックス、堂々と言い当てたね」
さすがS、なんていい始める游真君。
私の口から出た言葉は………
「だって本当のことでしょ。」
…………………だった。