ダイヤモンドダスト
「どっちでもいい~」
「何それ?」
足音が聞こえなくなったので振り返ると
ハナは頬を膨らませて拗ねている
「どうした?」
呆れながら言うと、ハナは口をとがらした
「だって、聡史が…」
「どっから妹の事聞いてきたのか知らないけどさ…
妹は家に居ないよ」
妹の事を言い始めるとすぐに顔色を変えた
「どうして?」
何も知らないハナの表情が
自分自身を悲しくする
「俺が木曜だけ、あの時間に
商店街を通るのは
偶然なんかじゃない」
「え?」
「木曜は、母さんが仕事が休みなだけ
それ以外はいつも病院にいる」