ダイヤモンドダスト

小説のような小さな単行本を必死に読んでいて
何度も人にぶつかっている

歩き方が酔っている人みだいだ


そんなに面白い本なのかよ…


俺は知らないうちに足を止めて
ずっとその子を観察していた



すると少し体格の大きい
相撲取りのような男が
彼女の前へと近づいている


男はゲームをしていて前が見えていない


女の子も本を読んでいて
その状況に気づいていないようだ


俺は急いで女の子の元へ駆け寄ろうとしたが
少し遅かった


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