ダイヤモンドダスト
女の子の元へたどり着いたときには
もう倒れていた
相撲取りのような男は
ビクともせずに少し怒った顔で
倒れ込んだ女の子を睨んでいる
「ごめんなさい!」
女の子は痛みをこらえながらも、
必死に男に謝っている
俺は女の子の手から飛んだ
本を拾い題名をみた
『君に、さよなら』
題名からして
悲しい話なんだろーなって思える
男が立ち去った女の子の前に立ち
本を差し出すと、
目より大きい眼鏡を
クッと押し込み俺から本を受け取った
「そんなにおもしろいの?その本」
「え?」
「人にぶつかっちゃうくらい
読み込むなんて…
相当面白くないと無理じゃね?」