ダイヤモンドダスト

「高橋!お客さんだよ~」
入口から聞こえた三船の声が届いた


俺は山瀬に微笑んでみせた


「前から優しいって!」




それだけ言うと、お客さんの待つところへ向かった




『優しくなった』


三船にもこないだ言われた
俺も、自分でもわかるくらい
優しくなれた気がする


それは、きっとハナに出会えたからだ




「聡史!来ちゃった!」


三船の言っていたお客は
どうやらハナだったみたいだ


「まだ、11時だよ?」

「うん…でも、待ちきれなくて…
昨日も眠れなかったくらい!」

「遠足じゃないんだから」

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