出逢えてよかった


「岡本さん」
「ん、何?藤崎くん」
「廊下に理事長いるけど、岡本さんに用事だって」
「理事長…?あ、ありがとね」

藤崎くんにお礼を言って廊下に顔を出すと、そこには、上品さと端麗さの溢れるいかにも大人の女っていう女性が立っていた。
とゆうか、あの顔立ちどっかで見た気がある気するなあ…。

「あ、岡本さんね?」
「はい…」
「ちょっと、いいかしら?」
「え?」
「ついてきてもらうわよ?」

はい、お決まりのこのパターン。無理矢理なんですね…。

エレベーター付きというこの学園。どんだけお金持ちなのよ!?
理事長さんはエレベーターで上に上がる時の横顔にも大人っぽさが溢れてた。

エレベーターで5階まで来ると、理事長さんは歩きだした。
ヒールのある靴を履いてるのに、私より歩くのが速くて驚いた。

連れてこられたのは理事長室らしき場所。

「さぁ、入って」
「あ…はい」

中に入ると、またびっくり!

なにこの広さ!
理事長室ってこんなに広くないと、ダメなの?

「ふぅ…」

これまた豪華な椅子に腰掛け、息を吐いた理事長さん。

疑問なんだけど、私はなぜこんな場違いな場所にいるのだろうか…。それよりも、なぜ呼ばれたのだろうか?

「あの…、私って何で呼ばれたんでしょうか?」
「んー?あぁ、琉維のことで話があってね」
「琉維、ですか…?」
「あの男、扱いづらいでしょ?」
「はぁ…」
「昔はお母さんお母さんって、可愛かったのに…」

…ん?
お母さんお母さん?
えぇぇぇえ?!

「る、るるる琉維のお母さん?!」
「あら、琉維から聞いてないの?」
「そんなの一言も…」
「あの子ったら―、んじゃ、説明するわね?私は琉維の母親で理事長なの」

ま、マジですか…。
どうりで見たことある顔立ちな訳だ。
強引な所も似てる。

「それにしても、思っていたより可愛い子でよかったわ」
「え?」
「あの子、例の人が決まったとしか言わないから、どんな子なのか気になってたのよ」

例の人って、ナニ?

「貴方でよかったわ」
「は、はぁ…」
「琉維のこと、よろしく頼みますね?」

そ、そんな微笑まれたら、断れないでしょーがっ!

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