出逢えてよかった



「もーもかっ!」
「ななっ!」

あれから私たちは一緒に過ごす時間が増えた。

ななは、人懐っこく、明るく、優しい性格なので、たくさんの友達がいた。
私といるときでも、誰かに呼ばれたりするななを見てすっごく羨ましかった。

一方の私は、琉維のせいもあるのか分からないけど、あまり人と話さない。
自分から話し掛けるなんて恥ずかしいし、シカトされたら嫌だから…。


「ももか、ごっめーん。彼氏が今日迎えに来るらしいから、今日遊べないや」
「ううん、全然大丈夫だよっ!」
「じゃ、彼氏来たから帰るねっ!」
「ばいばーい」

教室を出て行くななを見ていて、また羨ましいと思ってしまった。

「彼氏かぁ、いいなぁ…」
「なにお前、彼氏欲しいの?」
「っ!?る、琉維!」
「迎えに来た」

そうそう、登下校はこいつとしなきゃいけないらしいんだよね。理事長命令でさ…。

「早く帰ろうぜ、眠い」
「はぁ…」
「なに、溜め息ついてんだよ」

そりゃ、溜め息の一つや二つはつきたくなるし。

あんたと登下校するせいで視線が痛いんだよっ!

「周りなんか気にすんなよ?」
「うへ?」
「気持ち悪ぃ声出すな」

なんで私の考えてることが分かったの?!

「超能力者だから」
「えぇ?!」

またまた読み取った…。

「もういいだろ…、帰るぞ?」
「っ//」
「あれ?なに顔赤くしてんの」

勝手に手繋ぐなーっ!
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