出逢えてよかった



そして、修学旅行当日―…。

バスでの移動なんだけど、何で琉維と隣なわけ?!

チラッと琉維の方を見る。
やっぱり琉維の横顔は、周りの男子とは比べものにならず、ぞっとするくらいにキレイだった。
実は、このキレイな顔に昨日、あることを言われた。

《俺、修学旅行でももかを手に入れるから》

手に入れるって、どういう意味さー?!

意味は分からないけど、そんなこと言われちゃったら楽しめないじゃんっ!

バスの中での静かな琉維を見て、少し寒気がした。


「なぁ…」
「っ!な、なに?」

いきなり琉維が耳元で呼んだから、ビクッてなっちゃったじゃない!
いきなりはやめてよね!

「なに意識してんの?」
「い、意識なんて…し、してないし!」

うわあ、噛みまくり…。
これじゃあ意識してますって言ってるようなもんじゃんか…。

「今日の夜の自由時間、お前の部屋に行くから、ちゃんと部屋にいろよ?」
「えっ…、えぇ〜?!」
「うるさ…。ま、いなくても困んのお前だから…」

ちょっ!どういう意味よ?!
だいたい、女子と男子の部屋の階ちがうじゃんっ!
先生に怒られても知らないよーだっ!

「大丈夫だよ、母さんに言ってあるし」
「え…?」
「お前の部屋に行く許可、とっくにとってるから」
「うそーん」
「うそじゃねぇよ」

や、野獣だ、悪魔だ、鬼だっ!

「なんで私の考えること分かんのよ?」
「超能力者だから」
「バカにしてる?ねぇ、バカにしてるでしょ?」
「まぁ、待っとけよ」

そう言って、また窓の方を見る琉維。

自己中すぎるでしょ…。


とにかく!平和な修学旅行は送れなさそうだな…。

平穏な日々よ!かむばーっく!
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