明日になったら
榎本くん……
ブーッブーッ
んん?
携帯が鳴ってる
あたし…いつの間にか寝てたんだあ
開けっ放しのカーテンの向こうは暗くなっていた
「どんだけ寝てんだ…」
一言呟いて、携帯を見る
ナナからのメールだった
『絢音♪
大丈夫?先生もみんなもうまくごまかしといたから♪今日はゆっくり休んで、明日はちゃんと学校来てよね? ナナ』
ナナ…
本当はこんなに優しくしてもらえて嬉しいんだ
だけど、いまは
“ナナ”って、その響きがツラいよ……
ナナ…もう榎本くんからモデルのことは聞いた?
知ったらナナは嬉しいよね、きっと
…聞かないでほしいよ
教えないでほしいよ
“女子ではあたしだけ”じゃなくなるんだもん
特別がなくなるんだもん
嫌……っだよ…
あたしはまた、深い眠りについた