明日になったら



「はい!お弁当♪」

「あ、ありがと」


あたしがお風呂に入っている間にチャチャッと作ってくれたであろうお弁当


「残飯厳禁」


そう言ったお母さんは


「じゃあ、あたし徹夜明けだから寝るわ~戸締まりと火だけよろしくね」

なんて呑気に言って、寝室に入っていった


「律儀に朝ごはんまで用意してあるよ」

本当、お母さんにはお世話になりっぱなしだ



「よしっ!」

お母さんの作ったごはんを食べたら、なんだか元気が出てきた


「戸締まりOK!ガス栓OK!」

なんて、ふざけてみてから
聞こえないくらいの声で

「ありがと、お母さん。行ってくるねー」


いまのあたしはきっともう大丈夫だ

そう言って家を出た





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