明日になったら
昼休み…――
「絢音、行こ♪」
「あ、うん。購買行ってくるからみんな先食べてていいよ」
「了解」
「いってらー」
みんなに購買に行くことを伝えて教室を出ようとしたときだった
あ………
「隼人くん♪」
榎本…くん……
てゆーか、隼人くんって呼ばせるんだ
あたしには…
『地味な存在でいたい』
って言ったくせに
「ですから、あの…」
「あ、ナナに用?じゃああたし、代わりに買ってくるよ♪何でもいい?」
「え…あ、うん…ごめん、よろしくね♪」
絢音さん…?
榎本くんの声がするのがわかったけど
聞こえないフリをして
時間がないフリして
購買に急いだ
「……っ、ふっ…く…」
やっぱだめだ…
零れた涙を隠そうと
トイレに入って
顔を洗った
「大丈夫…わかんないよね?落ち着け自分…」
そう言い聞かせて購買へと向かった