ふたりの夢。
「え?」


「未来がいなくなると思ったらせいぜいした。」


何言ってるんだろう私。


「元々居なかった人が居なくなるだけなんだから悲しむことないね。じゃ。」


「おい、雪!今のはないだろう!」


「本当のことだもん。」


違う。


本当のことなんかじゃない。


「じゃあ。」


そう言って駆けてみた。


というより一刻も早くその場から逃げないとバレそうだったから逃げた。


今にも涙がこぼれそうだったのだ。
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