聞いて欲しいのです。
見事に成功したその呪いのせいで、
男は婚約者と結婚しましたが、後継ぎが生まれるまでもなく、相手は亡くなりました。
悲しみに暮れる男に、女は尽くしました。
その内に男本人よりも、周りの親族に見初められ、女は男と結婚します。
だけど、呪いはきれていなかった。
その女は、呪いは解かなければ消えない事を、知らなかったんだと思います。
自らかけた呪いで、
女もまた、命を落としたそうです。
唯一違ったのは、それが子供を産み落とした後だった事。
呪いをかけたと知っていたのは、
本人である女と、彼女の書き残した日記を読んだ者だけ。
その日記も、見つけたのはずっと後世の人間で、
その頃にはもうすでに女の生まれた家は途絶えており、呪いの全容は解りませんでした。
だから解けずに、ずっと残ったままだったのです。