銀河の星屑
水萌が僕の後ろに隠れる。

服のすそをつかむその手は、震えていた。

「――何で…?」

僕は、声を出した。

「――何で、あんたがいるんですか?」

僕の質問に、中條はよく聞いてくれたと言うように笑みを浮かべた。

できることなら、聞きたくない。

あんたがここにいることも、家の中にいたことも、どちらも聞きたくない。

「それは簡単なことだよ」

そう言って中條が僕らに見せたのは、
「…カギ?」

合い鍵だった。
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