銀河の星屑
バカにするように、おかしいと言うように、彼は笑みを浮かべて僕らを見つめている。

「じゃあ、君は黎の何を知っているって言うんだ?」

変わらない表情で、中條が言った。

「弟の君が黎の何を知っているって聞いているんだ」

答えない僕に、中條がもう1度聞いてきた。

意味がわからない。

姉の何を知っているって、何の話をしているんだ?

僕が何も答えないでいると、中條は呆れたと言うように息を吐いた。

「知らないだろうね、黎が悩んでいたことや苦しんでいたことなんて」

やれやれと、中條は小さく呟いた。
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