銀河の星屑
「中学の時、黎がいじめを受けていたことを知っているのか?」

中條が言った。

「えっ…」

初耳だった。

「クラスメイトから理不尽な理由でいじめられて、それがトラウマになって高校は1人ぼっちだった。

同級生とうまくいかない、楽しいはずのイベントも1人が当たり前だ。

そのせいで不眠症を患って、病院へ行って睡眠薬を処方してもらっていることを君は知っているのか?」

返す言葉が見当たらなかった。

姉に、そんなことがあったなんて…。

「肝心の両親は躰の弱い弟に手がいっぱいで、自分のことを見てくれない――黎はそんなことを言っていたよ」

そう言った後、中條は息を吐いた。
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