銀河の星屑
「それに、黎が半年前に働いていたバイト先をクビにされたことを君は知っていたのか?」

中條が言った。

何も知らなかった。

そんなこと、言ってなかったじゃないか。

一言も言ってなければ、そう言う素振りも見せていなかった。

「何も知らなかった、当然のことだろうな」

中條が僕の横を通り過ぎた。

同時に、バタン…とドアが閉まった。

その音を聞き終えた瞬間、僕は崩れ落ちた。

「――蓮ちゃん…」

水萌が駆け寄ってきて、僕の頭を抱きしめた。
< 110 / 233 >

この作品をシェア

pagetop