銀河の星屑
時間は夜の7時になっていた。

中條は車を発車させた。

助手席には黎が座っている。

会話はなくて、車内にはエンジンの音が目立っている。

「何か、音楽をかけてもいい?」

そう聞いた中條に、
「いいですよ」

黎が首を縦に振ってうなずいたので、中條は音楽をかけた。

ピアノの静かなメロディーが車内に流れた。

「これ、『亡き王女のためのパヴァーヌ』ですよね?」

興味を持ったと言うように黎が話しかけてきた。

「知ってるのか?」

それを知っていたことに、中條は聞き返した。
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