銀河の星屑
心の底からちゃんと笑っている笑顔だ。

(もしかしたら、彼女はちょっと人見知りをする部分があるんだろうな)

中條は黎と話をしながらそんなことを思った。


「ついたよ」

目的地の『橋爪クリニック』の駐車場に車を止めた。

車を降りた瞬間に感じたのは冷たい風だった。

(…ああ、もう冬なんだな)

中條は心の中で呟いた。

冬の夜は、こたつに入って家族と一緒にぃ鍋を囲みたいなと思った…が、自分にはその家族がいない。
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