銀河の星屑
いや、正確には別居をしている。

妻とまだ幼い1人娘が家を出たのは、今年の2月の終わりだった。

あまりにも突然過ぎて、何もわからなかった。

自分は家族のために仕事をして、家族のためにサービスをした。

記念日や誕生日にはプレゼントを贈って、休みの日は一緒にどこかへ出かけた。

自分の楽しみは後回しにして、家族のために時間を割いた。

なのに、彼女たちは出て行ってしまった。

妻の気に障るようなことを言ったのだろうか?

妻に何をしたと言うのだろうか?

理由がわからなかった。

「――へえ、意外と近いところにあったんだ」
< 120 / 233 >

この作品をシェア

pagetop