銀河の星屑
季節は、2月を迎えた。

冷たい雨の降る夜のことだった。

「――寒ッ…」

中條はコートの襟を立てると、カバンから折りたたみのかさを出そうとした。

その時、ポケットに入れていたスマートフォンが震え出した。

着信を確認すると、黎からだった。

何だろう?

そう思いながら、中條は電話に出た。

「もしもし?」

「先生、助けて…!」

泣いている黎の声が聞こえた。

「どうした?」

いきなりのことに、中條は訳がわからなかった。
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