銀河の星屑
(だったら、殺すしかないだろう)

中條は思った。

黎を傷つけたから。

黎を汚したから。

黎をつらい目にあわせたから。

黎の人生をめちゃくちゃにしたから。

「――佐々木、僕の家に行くか?」

そう言った中條に、黎の顔があがった。

「びしょ濡れだし、風呂と洗濯機を貸してあげるから」

黎が首を縦に振ったことを確認すると、車を発車させた。

中條はハンドルを握りしめた。

黎のためなら、何でもする。

例え自分の身がどうなろうと、黎のためなら構わない。
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