銀河の星屑
確認した後、まだ意識を失って眠っている水萌――と言う名の器に視線を向けた。

「わたし、まだ眠ってるね」

水萌も同じことをしていたらしく、自分の器を見ると呟いた。

「眠っているのはわたしじゃなくて、黎ちゃんかも知れないね。

だって、わたしは黎ちゃんの躰にいるんだから」

そうかも知れない。

水萌はここにいて、眠っているのは姉である。

「嫌いになった?」

水萌に問われたので、僕は視線を向けた。

「わたしが黎ちゃんの躰を乗っ取っちゃって、嫌いになった?」

そう言った水萌に、僕は首を横に振った。
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