銀河の星屑
「そんなんで、俺が水萌のことを嫌いになる訳ねーだろ」

「でも、わたしがちゃんと死んでたら黎ちゃんは…」

「バカなことを言ってんじゃねーよ」

僕は水萌の頭に手を伸ばすと、彼女の髪をクシャクシャにした。

「俺は、死ななかっただけでもいいんだよ。

どう言う形であれど、無事だったらいいんだよ」

そう、無事でよかった。

姉の躰の中に水萌が宿ってしまったと言う結果になっても、無事ならそれでよかった。

生きていてくれるなら、どんな結果でもよかった。

「蓮ちゃん…」

水萌が僕の肩に顔を埋めた。

僕は、震えている彼女の肩を優しくたたいた。
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