銀河の星屑
犯行に使った包丁は自分の手で持っていた方が1番だろう。

幸い、今はこの時間帯である。

目撃者はいないはずだ。

誰かと揉めてたなんてことが警察に知れたら、間違いなく疑われるのは自分だろう。

中條は辺りに誰もいないことを確認すると、逃げるようにその場を去った。


その翌日、警察が事情聴取に中條を訪ねてきた。

それに対して中條は何も知らないと首を横に振って答えた。

警察もそう答えた中條に、何も問わなかった。

異常な患者に襲われた通り魔殺人くらいにしか、警察も思わなかっただろう。

とりあえず、警察がそれ以上自分に目を向けなかったことはよかった。
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