銀河の星屑
その手から離れるために、後ろに下がる。

「はあ、まだ逃げるつもりらしい。

懲りないったらありゃしないよ」

中條は呆れたように息を吐いた後、手を引っ込めた。

「でも、それもいつまで続くんだろうな。

黎が僕を必要としてくれるまで、待つしかないな」

そう言った彼を怖いと、わたしは心の底から思った。

中條は冷笑を浮かべると、
「とりあえず、理想の場所は確保した。

泣いても叫んでも助けはこないし、邪魔も入ってこない。

僕たちだけの楽園だ、シャングリラだ」
と、言った。
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