銀河の星屑
「はい」

インターホンから中條の声がした。

「あなた?

私、咲子だけど」

前田さんがインターホンに向かって話しかけた。

「離婚届を持ってきたから」

そう言った前田さんに、
「じゃあ、ポストに入れて帰ってくれ。

僕が役所に届けるから」

中條が言い返した。

やっぱりな。

こう返ってくると予想していた。

もちろん、その後のことはちゃんと考えている。

「私がきたのはそれだけじゃないの」

前田さんが話を続けた。
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